千葉市は人口約97万人を抱える千葉県の県庁所在地であり、政令指定都市として都市機能と住宅地が共存する街です。幕張新都心などの開発エリアを持つ一方で、古くからの住宅街や郊外地域では空き家が増加しています。
総務省の調査によれば、千葉県全体の空き家数は約53万戸に達しており、千葉市でも管理や利活用が課題となっています。
本記事では、千葉市の地価動向、空き家の買取相場、放置リスク、活用・売却の方法について詳しく解説します。
千葉市の地価と不動産相場
まずは地価の現状を確認しましょう。
- 千葉市全体の公示地価(2025年)
平均 1㎡あたり約14万9,000円(坪単価約49万円)。前年よりも+2〜3%程度の上昇を記録しています。 - エリア別の特徴
- 中央区:商業地が多く坪80〜150万円と高め。
- 美浜区:幕張新都心を中心に坪70〜120万円。
- 若葉区・緑区:郊外色が強く坪20〜40万円台にとどまる。
東京23区に比べると相場は低めですが、交通アクセスの良いエリアでは安定した需要があります。
順位 | 行政区 | 公示地価平均 | 坪単価平均 | 変動率 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 千葉市中央区 | 27万2650円/m2 | 90万1322円/坪 | +7.29% | ![]() |
2位 | 千葉市美浜区 | 21万2075円/m2 | 70万1074円/坪 | +8.20% | ![]() |
3位 | 千葉市稲毛区 | 18万1161円/m2 | 59万8881円/坪 | +5.36% | ![]() |
4位 | 千葉市花見川区 | 14万9238円/m2 | 49万3351円/坪 | +3.77% | ![]() |
5位 | 千葉市若葉区 | 10万0917円/m2 | 33万3612円/坪 | +5.32% | ![]() |
6位 | 千葉市緑区 | 8万9377円/m2 | 29万5461円/坪 | +5.35% | ![]() |
2025年[令和7年]公示地価
※変動率は、各地点の変動率の平均となります。(平均地価の変動率ではありません)
順位 | 駅 | 地価平均 | 坪単価平均 | 変動率 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 栄町駅 | 141万8000円/m2 | 468万7603円/坪 | +10.57% | ![]() |
2位 | 千葉駅 | 70万2785円/m2 | 232万3258円/坪 | +9.32% | ![]() |
3位 | 葭川公園駅 | 47万5333円/m2 | 157万1349円/坪 | +9.22% | ![]() |
4位 | 海浜幕張駅 | 40万5000円/m2 | 133万8842円/坪 | +8.60% | ![]() |
5位 | 幕張豊砂駅 | 40万0000円/m2 | 132万2314円/坪 | +12.36% | ![]() |
6位 | 千葉中央駅 | 39万6666円/m2 | 131万1294円/坪 | +8.47% | ![]() |
7位 | 西千葉駅 | 35万2000円/m2 | 116万3636円/坪 | +7.87% | ![]() |
8位 | 新千葉駅 | 32万1333円/m2 | 106万2258円/坪 | +8.24% | ![]() |
9位 | みどり台駅 | 31万2333円/m2 | 103万2506円/坪 | +8.04% | ![]() |
10位 | 稲毛駅 | 26万3500円/m2 | 87万1074円/坪 | +7.13% | ![]() |
11位 | 千葉公園駅 | 25万0500円/m2 | 82万8099円/坪 | +7.66% | ![]() |
12位 | 京成稲毛駅 | 24万6428円/m2 | 81万4639円/坪 | +6.67% | ![]() |
13位 | 西登戸駅 | 24万0500円/m2 | 79万5041円/坪 | +6.97% | ![]() |
14位 | 県庁前駅 | 21万8000円/m2 | 72万0661円/坪 | +7.73% | ![]() |
15位 | 幕張本郷駅 | 20万9500円/m2 | 69万2561円/坪 | +5.98% | ![]() |
16位 | 作草部駅 | 20万4333円/m2 | 67万5482円/坪 | +7.13% | ![]() |
17位 | 検見川浜駅 | 20万4000円/m2 | 67万4380円/坪 | +5.36% | ![]() |
18位 | 検見川駅 | 20万3833円/m2 | 67万3829円/坪 | +5.47% | ![]() |
19位 | 京成幕張駅 | 19万2000円/m2 | 63万4710円/坪 | +6.93% | ![]() |
20位 | 新検見川駅 | 18万4500円/m2 | 60万9917円/坪 | +4.22% | ![]() |
20位 | 稲毛海岸駅 | 18万4500円/m2 | 60万9917円/坪 | +8.30% | ![]() |
22位 | 幕張駅 | 18万3666円/m2 | 60万7162円/坪 | +6.01% | ![]() |
23位 | 穴川駅 | 17万6000円/m2 | 58万1818円/坪 | +6.07% | ![]() |
24位 | 天台駅 | 17万5500円/m2 | 58万0165円/坪 | +6.09% | ![]() |
25位 | 本千葉駅 | 16万4414円/m2 | 54万3518円/坪 | +7.51% | ![]() |
26位 | 千葉寺駅 | 16万2000円/m2 | 53万5537円/坪 | +6.79% | ![]() |
27位 | 蘇我駅 | 15万7062円/m2 | 51万9214円/坪 | +7.33% | ![]() |
28位 | 鎌取駅 | 15万3540円/m2 | 50万7570円/坪 | +7.02% | ![]() |
29位 | 東千葉駅 | 15万1300円/m2 | 50万0165円/坪 | +7.33% | ![]() |
30位 | 都賀駅 | 13万6025円/m2 | 44万9669円/坪 | +6.92% | ![]() |
31位 | 八千代台駅 | 12万2720円/m2 | 40万5685円/坪 | +3.21% | ![]() |
32位 | おゆみ野駅 | 12万0525円/m2 | 39万8429円/坪 | +7.28% | ![]() |
33位 | 実籾駅 | 12万0260円/m2 | 39万7553円/坪 | +3.95% | ![]() |
34位 | 動物公園駅 | 11万0500円/m2 | 36万5289円/坪 | +5.65% | ![]() |
35位 | 勝田台駅/東葉勝田台駅 | 10万8253円/m2 | 35万7862円/坪 | +2.91% | ![]() |
36位 | 千葉みなと駅 | 10万2180円/m2 | 33万7785円/坪 | +11.01% | ![]() |
37位 | 大森台駅 | 9万9333円/m2 | 32万8374円/坪 | +6.07% | ![]() |
38位 | みつわ台駅 | 9万6966円/m2 | 32万0550円/坪 | +5.81% | ![]() |
39位 | 桜木駅 | 9万5420円/m2 | 31万5438円/坪 | +6.24% | ![]() |
40位 | 学園前駅 | 9万2433円/m2 | 30万5564円/坪 | +5.71% | ![]() |
41位 | スポーツセンター駅 | 8万4900円/m2 | 28万0661円/坪 | +3.42% | ![]() |
42位 | 京成大和田駅 | 8万1150円/m2 | 26万8264円/坪 | +0.98% | ![]() |
43位 | 小倉台駅 | 7万6700円/m2 | 25万3553円/坪 | +5.17% | ![]() |
44位 | 四街道駅 | 7万5685円/m2 | 25万0200円/坪 | +2.78% | ![]() |
45位 | 土気駅 | 7万3700円/m2 | 24万3636円/坪 | +5.12% | ![]() |
46位 | 千城台北駅 | 7万0000円/m2 | 23万1404円/坪 | +3.02% | ![]() |
47位 | 浜野駅 | 6万4910円/m2 | 21万4578円/坪 | +5.39% | ![]() |
48位 | 千城台駅 | 6万3233円/m2 | 20万9035円/坪 | +2.16% | ![]() |
49位 | ちはら台駅 | 5万3600円/m2 | 17万7190円/坪 | +3.88% | ![]() |
50位 | 誉田駅 | 4万5748円/m2 | 15万1234円/坪 | +2.77% | ![]() |
千葉市で空き家を放置するリスク
空き家を放置すると次のようなリスクがあります。
- 資産価値の低下
適切に管理されていない物件は老朽化が早く、査定額が大幅に下がります。隣接地の評価にまで悪影響を及ぼす場合もあります。 - 特定空家に指定されるリスク
行政から特定空家に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が外れ、税額が最大6倍になる可能性があります。 - 近隣トラブルの拡大
人口密集地域では雑草や外壁の劣化が苦情につながりやすく、放火や不法投棄のリスクも増えます。
千葉市の空き家買取相場の目安
空き家を業者に直接買取してもらう場合、仲介による市場価格の 60〜80%程度 が目安です。
- 中央区(千葉駅周辺)
駅近物件は築古でも2,000万〜3,000万円の査定例あり。買取価格はその7割前後。 - 美浜区(幕張新都心エリア)
再開発効果で人気が高く、築年数が古くても比較的高値での買取が期待できます。 - 若葉区・緑区(郊外エリア)
需要が弱く、築古戸建ては500万〜1,000万円前後の査定になるケースが多いです。
買取価格を左右する要因
- 立地条件:駅徒歩圏や商業施設に近い物件は高評価。
- 建物の状態:雨漏りや耐震性の欠如はマイナス評価。
- 土地の形状:整形地や道路に接している土地はプラス要素。
- 用途地域・再開発:幕張エリアのような再開発地域は需要増加で高評価。
千葉市での空き家活用法
空き家を「持て余さない」ためには活用も検討しましょう。
- 賃貸住宅化:学生や単身者需要のある中央区や稲毛区ではリフォーム後の賃貸が有効。
- 民泊活用:幕張メッセやディズニーリゾートに近い立地なら観光需要を取り込める。
- シェアハウス:都心通勤圏として若者需要が強い地域で可能性あり。
- 空き家バンク登録:千葉市も空き家バンクを活用して移住希望者や利用希望者を募っています。
空き家売却・買取の流れ
- 複数の業者に査定を依頼
- 現地調査・価格提示
- 契約条件の比較と交渉
- 売買契約締結
- 決済・引き渡し
郊外の空き家は買い手がつきにくいため、業者による直接買取の方がスムーズに進むケースが多いです。
千葉市で利用できる制度や特例
- 相続空き家の3,000万円控除
- 空き家解体費用の補助(千葉市の一部制度)
- リフォーム補助金や移住支援制度
行政支援を活用することで費用負担を軽減できます。
まとめ
千葉市の不動産需要は、中心部と郊外で大きな差が見られます。中央区や美浜区のような高需要エリアでは、空き家であっても高値で売却できる可能性があります。一方で、若葉区や緑区といった郊外エリアでは需要が限られるため、早めに買取を活用する方が現実的な選択肢となるでしょう。
また、売却を検討する際には、複数の業者に査定を依頼し、その結果を比較することが重要です。さらに、相続空き家の3,000万円控除など税制上の特例を活用すれば、より有利な条件で売却できる可能性があります。
何より大切なのは、空き家を放置せず、資産として「活かす」か「手放す」かを早めに判断することです。これこそが、千葉市で空き家を持て余さないための最大のポイントと言えるでしょう。